耐震性の高い住宅のメリット
2025/02/07 お役立ち情報

前回は耐震の歴史をご紹介しました。
日本の建物は大規模な災害を教訓に、法律が制定され、基準が変わり、少しずつ耐震性能をあげてきました。高い耐震性能を有する住宅では、安心を手に入れる以外にも、様々な優遇措置を受けることができます。
今回は、住宅を高耐震にすることで受けられるメリットをご紹介します。
■住宅性能表示制度による耐震性の等級
住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、住宅性能表示制度が定められています。住宅性能表示制度とは、建物の構造の安定・火災時の安全・劣化の軽減など複数の項目を第三者機関が評価し、表示を行うものですが、耐震性については3段階の等級が設けられています。
耐震1は、新耐震基準を満たすレベル。2.3と等級が上がると耐震性も向上します※。耐震等級2以上については、住宅取得等資金贈与の非課税限度額が1000万となっており、それ以上の住宅と比べて優遇されています。このように、耐震性を表示する仕組みによって、様々な優遇措置を受ける際の証明となるというわけです。
■長期優良住宅
2009年に長期優良住宅認定制度が創設されました。その名の通り、長期にわたって良好な状態で住み続けられるように措置を講じた住宅となります。認定の条件の一つとして、耐震等級2以上、または免震住宅であることがありますが、税制面や融資面で様々な優遇を受けることができます。
■地震保険料の割引
地震保険の世帯加入率は、阪神・淡路大震災発生前後で大きく変化しました。地震保険は、政府と損害保険会社が共同で運営する公共性の高い保険です。地震保険料は建物の構造や地域によって定められていますが、保険なのでリスクによっても変わります。耐震性の高い住宅は保険料の割引制度があり、耐震等級3および免震建築物では、割引率が最大の50%となります。
※住宅性能表示制度における構造の安定に関する評価内容
耐震等級1 極めれまれに(数百年に一度程度)発生する地震による力に対して倒壊、崩壊等しない程度
耐震等級2 極めてまれに(数百年に一度程度)発生する地震による力の1.25倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
耐震等級3 極めてまれに(数百年に一度程度)発生する地震による力の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度