家づくりにおいて、省エネで快適な暮らしをつくるアプローチには2つの道があります。自然の力をそのまま活かす「パッシブデザイン」と、最先端のテクノロジーを駆使する「アクティブデザイン」です。
どちらにも独自の素晴らしさがあり、今の時代、これらを自由に選択できること自体が、家づくりにおける難しさでもあり、楽しさでもあります。
では、自分たちにはどちらが向いているのでしょうか。選択のヒントは「暮らす場所」と「ライフスタイル」にあります。
例えば、緑が豊かで風が通り抜け、周囲に高い建物が少ない広々とした土地であれば、太陽の光や風をそのまま取り入れる「パッシブデザイン」が向いています。自然の移ろいを感じながら、エアコンに頼りすぎないスローライフを楽しみたい方にぴったりです。
一方で、都市部の狭小地や、ビルに囲まれて日当たり・通風の確保が難しい場所、あるいは近年の猛暑や寒波といった異常気象に左右されたくない場合は「アクティブデザイン」が真価を発揮します。太陽光発電や高性能な全館空調により、どんな天候や地域でも、24時間365日「狙い通りの快適さ」と「確実な省エネ」をデータに基づき作り出すことができます。
ただ、それぞれのメリット・デメリットを突き詰めて、どちらか一方を選択しなければならない、ということではありません。「基本は自然の光を取り入れつつ、空調やエネルギー管理は最新システムに任せる」といった、両者のいいとこ取りをすることが可能となっているのが、現在の家づくりなのです。
立地条件、予算、そして「どんな暮らしがしたいか」という家族の価値観に合わせて、最適な工法や設備を自由にカスタマイズできる。この選択肢の広さこそが、現代の注文住宅が持つ最大の魅力です。
次号以降では、パッシブデザインとアクティブデザイン、それぞれの特徴をみていきましょう。